11月10日(木)第78回くまもと起業家ねっと「起業家セミナー&交流会」を執り行いました。

第78回くまもと起業家ねっと「起業家セミナー&交流会」を執り行いました。

今回の起業家セミナーは、株式会社ドリームファクトリー代表取締役の大野義啓氏を招いてのトークセッションイベントです。多くの方にご参加いただき、会場ではソーシャルディスタンスを保ったレイアウトで、何とか無事執り行うことができました。

皆さんには、万全の感染症対策にご協力をいただきながらのご参加、誠にありがとうございました!!

はじめに

今回は、上通にあるびぷれすイノベーションセンターにて開催されました。まずは主催代表・司会の河野より本会の主旨や、今回の企画の背景などを簡単にご説明させていただきました。

大野氏は、ダイコロ株式会社と契約したプロの柔道家として活動されており、韓国代表として世界選手権に出場した実績を持ちながら、現役引退後、サッカーの大久保選手や出身の天理高校柔道部などで研修講師やメンタルコーチとして、また、大阪市でリハビリ特化型デイサービス事業を展開し、経営者としてご活躍されています。

スピーカープレゼン

大野義啓氏によるトークテーマは、「失敗を成果に繋げる極意」です。

輝かしい経歴と実績をお持ちの大野氏ですが、その結果を出すまでは、一年で二度の倒産危機があったなど、多くの失敗も経験されました。

今回の講演では、大野氏の実体験を、「失敗した原因」→「失敗の反省・対策」→「失敗を成功に繋げる方法」の過程をシェアしていただきました。

二つのセクションの内、一つ目のセクションは、より具体的な経歴・経験についてのご説明がありました。

特に起業してからの経験の中で、最も後悔したことは「①準備不足で起業したこと」、最大の失敗は「②目先の目標しか設定しなかったこと」、そして、失敗からの教訓は「③信念がないと経営できないが、信念だけでは経営できないこと」を挙げ、それら失敗から起こった具体的な問題を赤裸々に語っていただきました。

二つ目のセクションでは、一つ目で挙げた三つの学び「①準備不足で起業したこと」「②目先の目標しか設定しなかったこと」「③信念がないと経営できないが、信念だけでは経営できないこと」から、どのような改善策をとったのか説明していただきました。

「①準備不足で起業したこと」からの改善策

「①準備不足で起業したこと」からの改善策は、ロールモデルを見つける事、事業計画を立てること、反省する時間の習慣化です。

大野氏自身、幾度も研修などに参加したことがありますが、知識は増えても、運用する方法や、自己流にアレンジすることはできなかったと語ります。その上で、既存のロールモデルを軸にすると、経過過程が理解でき、自身の想いを反映させる余裕ができます。

そして、事業計画と反省する時間の習慣化は、自身の経営過程を数字として見えるものにし、改善・共有するために重要なものだと教えてくださいました。現在、大野氏は、会社ごとではありますが、日報・週報・月報は欠かさず行っているそうです。

「②目先の目標しか設定しなかったこと」

「②目先の目標しか設定しなかったこと」からの改善策は、中長期的な計画を立てる、お手本となる経験者を見つける、数字=想い=実力であると心得るです。

アスリート経験やトレーナーとして数ある団体を見てきて、目的が明確になればなるほど、結果は良いものになると、大野氏は語りました。そして、その明確性は、経験を積んでいるほどリアルに、鮮明に次の展開を予測することが出来ます。そのような意味合いで、数字=想い=実力であると説明されています。

「③信念がないと経営できないが、信念だけでは経営できないこと」から学んだこと

「③信念がないと経営できないが、信念だけでは経営できないこと」から学んだことは、常に正しいことは売上や利益だと思え、経営理念、事業計画、行動指針は必要、常にぶれずに常に柔軟に判断すべしです。

このトピックで重要視していることは、個性と理性です。数字や事業理念などの主軸があるからこそ、余裕がある時は自由に柔軟に行動ができ、そこで失敗し、困った時や迷った時に冷静に考える基準である数字や理念に戻ることが出来ると説明しています。常に、自身を“コントロール”できるように調整することが重要であると言われました。

トークセッション

その後、30分以上の質疑応答の時間がありました。いくつかご紹介させていただきます。

Q. 事業撤退を決断する際のポイントは?

A. 投資額を決めていました。それを越えたら撤退する。でも、感覚的に、また社員の意志によって目標金額をこしても投資をして上手くいったこともあります。

Q. 「ドリームファクトリー」の意味は?

A. 名前の通り「夢を生み出す」企業を目指しているからです。「介護」という業種や、制度を越えた事業をし、目標に向かって頑張っています。

Q. 経営者に向いている人とは?

A. 私は経営者に向いていないと思います。だからこそ、自分の想いや経営理念は、社員に明確に伝え、採用の時からこだわりをもっています。

Q. 従業員に想いや、理念を伝えるには?

A. 朝礼(間を置いた反復)をし、少しずつ、コツコツと教えています。また、他企業の朝礼を見学に行ったりもしました。

一人一人の質問に、期待以上の深い部分まで応えていただき、大野氏のまじめさや人の良さが表れ、質問者も満足されていました。

最後に

今回は、大野義啓氏に登壇していただき、「失敗から成果を生み出す方法」を学びました。

具体的に当時の失敗を語っていただきましたが、講演を聴く中で、大野氏が「失敗をしないこと」を一番に考えていないことが印象的でした。常に、失敗したときにどうすればいいかを考えており、常に「勝つこと」を目標にし、それこそがアスリートの強みであり、『失敗から学ぶ』を心がけている大野氏の徹底さや素直さが魅力であると伝わりました。