5月11日(水) 第73回くまもと起業家ねっと「起業家セミナー&交流会」を執り行いました。
2022.05.11 wed
第73回くまもと起業家ねっと「起業家セミナー&交流会」を執り行いました。
今回は、クリエイターなどの個人事業主がより輝ける社会づくり・サービス開発に尽力されているTooon株式会社の代表取締役 杉山 裕磨氏をお迎えしてのセミナーとなりました。
大学時代に起業され、様々な挫折を味わいながら、それでも進むことや諦めることをしなかった杉山氏の前向きな行動力がとても刺激になったのではないでしょうか?
また、GW明けということで新型コロナが増えつつありましたが、たくさんのご参加と感染予防対策にご協力いただき、ありがとうございました。
開催場所はセミナーではお馴染みのびぷれすイノベーションスタジオ。
まずは、くまもと起業家ねっとのオープニングムービーから始まり、代表の河野からの挨拶、そして本日の講師を務める杉山氏の簡単な紹介の後、いよいよご登壇となりました。
起業家セミナー&トークディスカッション
最初に杉山氏がを務めているTooon株式会社の説明がありました。
現在26歳の杉山氏が会社を立ち上げたのが2018年、その時は大学在学中の23歳でこれまで事業転換を繰り返し、今はクリエイター向けのクラウドで提供されるソフトウェア「Tooon(トゥーン)」というサービスを作られています。
事業の作り方として外部から株主を積極的に入れ、いわゆる”スタートアップ”方式で成長を続けている会社だそうで、「全ての価値交換がトラブルなく行われて誰もが世界中で才能を発揮できる世界を実現する」というミッションを掲げながら、案件から売上まですべてをクラウド上で完結させるサービスを提供されています。
次にご自身の経歴を踏まえた自己紹介。
6歳の頃から高校まで空手をされており、高校時代はインターハイに出場するほどの実力者。その反面、勉強には力を入れてこなかったらしく、浪人もできない状況で長崎県佐世保市の大学へと進学したものの、学力でやりたいことができなかったり、将来が暗いなと感じながら漠然とエンジニアやプログラマーになりたいと考えていたそうです。
しかし、大学が田舎だったため周りに頼れる大人もおらず、習うところもなかったので大きな挫折を経験。「そこからは2年に一度は1年間の大きな挫折を味わっています!」と冗談交じりに話し、笑いを誘っていました。
とりあえず大学で英語を頑張ってみようとイギリスに留学し、ビジネス英語をマスター。そこからいろいろと試してみたそうですが何も上手くいかず、大学4年になった時に福岡市のプログラミングスクールへ。
そのスクールがスタートアップ形式で事業を運営しており、杉山氏と同年代の方も多かったそうで、ご自身もスタートアップでインターンとなり、ここが人生の転機となったそうです。
それから周りに学生起業や若い年齢での起業をしている人とたくさん出会い、ご自身も起業をしたそうですが、わずか半年で法人を休眠。
自分の限界を感じたことをきっかけに上京してエンタメ系の事業を行っている会社にスタートアップで入社。キャリアを積んだことで再起業を果たし、絵本のサブスクを開始。
絵本には著作権の壁があったそうで、すぐやめざるを得なくなり、そこからは音楽関係の仕事で日銭を稼ぐ生活がスタートしたそうです。
その中でもクリエイター人たちに対して事業を行いたいと考え、仕事をもらいながらいろんなクリエイターの方々に「困ったことはないか?」という情報やインサイトを集めながら、Tooonの様なビジネスモデルを考えるに至り、今年の2月15日にTooonをリリースされたとおっしゃられていました。
トークセッション
続いてトークセッションへと移り、最初にセミナー部分を踏まえて質疑応答の時間となりました。
まずは大学生から「この事業のニーズや伸びると思ったきっかけは?」という質問から。
今で3事業目となるが、最初の音楽配信は上辺だけでニーズに関しては全く答えられていなかったとのこと。次に行った絵本のレンタルサブスクでは、LPを簡単に作りインスタ広告を少額ながら活用し、少しづつニーズがあったので多少は答えられていたそうです。先ほどもあった話で「お困りごとはないか?」とヒアリングを行っていた時に自分でお困りごとのレールを敷くことが多かったらしく、現在のサービスではそのお困りごとをユーザーさんたちが自主的に上手く解決していく様な感覚があり、リアクションもよく勝手に事業を拡げてくれ、またスタートアップの株主側からも勝手に連絡が来るようになったとのことでした。その様なことから本当にニーズのある良いサービスを展開できているのだな、と感じることができたそうです。
Tooonの話をしていた流れから、モデレーターの河野が「キャラデザイン」について、その誕生の経緯や意味合いについて質問。
キャラクター名は”トゥーンモンスターズ”という名称らしく、一緒に仕事をしているデザイナーにジョインしてくれて「自分たちの色」を具現化できるキャラデザインにしたそうです。また、現在もブラッシュアップ中とのことでした。クリエイターという、一般の人からすると「特異で異質な存在」という点や、突き抜けた様ないわゆる「変人」と呼ばれる様な人も多いことから、その特徴をモンスターと重ね合わせたところもあるそうです。
それに加えて、「自分たちの色とはどういうものですか?」という質問も追加され、例えていうならケータイのキャリア(docomo・au・Softbankなど)と同じような感覚ですと答えられていました。
次に「お客さんやターゲットとのかかわり方は?」という質問。
これに関しては単純明快で”一緒に活動をする”という感じだと答えられていました。
一緒に仕事についていき、業務の中入り込み、決して傍観者ではなく、参加者になることが前提で、これまではニーズに対して紙の上や画面の上でだけで表面的見ていたが、「泥臭く自分はこの人に貢献したい!」ということが大事だと話されていました。
その他にも熊本の起業支援の活性化についてや、スモールビジネスとスタートアップ・ベンチャーについて、資金調達の仕方や杉山氏の成功体験、キーマン採用の方法、サービスを拡げるためにやっていることなど時間ギリギリまでたくさんの質問が飛び交っており、参加者の方々に落とし込めるような情報がたくさんあったのではないかと思います!
また、開催側としても、参加者の方々が気になるような質問をたくさん考えてきていましたが、最後まで参加者の方々からたくさんの質問出ていたので、皆さんも杉山氏の経歴や事業内容、スタートアップについて興味深々だったのでとても有意義な時間になったのではないでしょうか。
最後に杉山氏から「このような貴重な場所に立たせていただいて起業仲間と繋がれるので非常にありがたく思います。今日だけで終わらず、この中の人たちと5年後10年後一緒に働くことがあるかもしれないし、また今後しばらく経ってから皆さんが自分のことを語っていただける様な、応援していただける様な活躍をできればと思いますし、皆さんの一部とでも一緒に成長していける様な関係性が作れてくると幸いです。その様なことを考えると楽しみですし、またご報告できると嬉しいです。」との言葉をいただき、時間となりました。
集合写真
今回は事業内容だけではなく、スタートアップの踏み込んだところまでの情報などたくさんの学びになったのではないかと思います。
また杉山氏のように信念や覚悟を持って動き続ければ、いつか成功へとたどり着くと背中を押され、勇気づけられた参加者の方もいらっしゃったのではないでしょうか?
このご縁を大切にこれからも皆さんで起業家のみならず、参加者で輪を広げていけたらと思います。今回もたくさんのご参加本当にありがとうございました!
本日のセミナー講師:
Tooon株式会社 代表取締役 杉山 裕磨氏