6月15日(水) 第74回くまもと起業家ねっと「起業家セミナー&交流会」を執り行いました。

2022.06.15 wed

第74回くまもと起業家ねっと「起業家セミナー&交流会」を執り行いました。

 

今回は、年齢や障害に関係なくみんなが「ごちゃまぜ」になって楽しめる社会・世界をつくる為に日々奔走する株式会社ハッピーブレインの代表取締役 池田 竜太氏をお迎えしてのセミナーとなりました!

元々、医療関係従事者だったからこそ見えてくる課題や問題、想い、起業当時と今の社会情勢などたくさんの学びが今回もあったのではないでしょうか?

 

また、たくさんのご参加と感染予防対策にご協力いただき、ありがとうございました。

それではセミナーの内容をご紹介していきたいと思います!

 

起業家セミナー&トークディスカッション

開催場所はびぷれすイノベーションスタジオ。

最初にくまもと起業家ねっとのオープニングムービーから始まり、代表の河野からの挨拶、そして本日の講師を務める池田氏の簡単な紹介の後、いよいよご登壇となります。

 

eスポーツで作る「ごちゃまぜ」の世界 障害、年齢、性別関係なし!

まずは、池田氏のご登壇のあと自己紹介から始まりました。

山鹿市で学生時代を過ごした池田氏は、理学療法士として15年病院に勤務し、その中で障がい者や高齢者が社会参加できていないという課題を見つけ、そこから2020年8月に株式会社ハッピーブレイン設立、そして2022年5月には一般社団法人UDeスポーツ協会を設立され、障害や年齢に関係ない「ごちゃまぜ」の世界・コミュニティを作るというここと、誰もがチャレンジできる未来を作るというミッションを掲げ、日々ご尽力されています。

 

しかし、池田氏自身は任天堂スイッチの電源がどこにあるのかわからないくらいゲームをやられないそうで、あくまでも繋がるツールだと会場を笑いに包んでいました!

 

近年でよく耳にすることが多くなってきた「eスポーツ」とは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、コンピューターやビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として採用したもので、競技人口は世界のテニスと変わらないほど人気を博しており、市場規模としても毎年右肩上がりとなっています。

 

まず、重度障がい者の現状について4割以上の方が自宅内に閉じこもっており、就労している方が3割にも満たず、外出も自宅から通所サービスの往復が主という課題がり、それに対し、地域の受け皿や交流機会が足りていないこと、就労技能の未取得だったり、生きがいを見いだせなかったりという原因があるそうです。

また、池田さんがこれまでリハビリなどで関わられてきた人たちの印象として、年齢に関係なく寝たきりの人は暗い人が多いという印象を受け、運動会などで競い合うことがないため、チャレンジ精神がないと肌で感じたとおっしゃられていました。

 

そこで目を付けられたのが「eスポーツ」での社会参加。

実際に障害や高齢で外出できない方にオンラインで対戦ができるぷよぷよ、カーレースなどのゲームで全国の方とも交流を図り、簡単に操作が可能なコントローラーを病院や施設、高齢サロン・個人宅に導入するなど”やりたい”から”できる”にサポートされており、プレイされている方々も「楽しみながらリハビリができる!」と喜ばれているそうです。

 

月に一度はイベントを開き、この活動を通しながらオンラインからオフラインの場へと出向く自信に繋がり交流の機会が増えたり、ライバルを見つけることや入賞を目指すことで目標が持てたりと相乗効果があるとのことでした。

実際にeスポーツがきっかけでパソコンに興味を持ってExcelやWordの操作やプログラミングなどのリモートワークまで出来るようになり、就労された方もたくさんいらっしゃるそうです!

最初から「パソコンをやりませんか?」というより、自然とパソコンを扱う内に興味が持つ方が大半で、eスポーツが就労の懸け橋になっています。

 

また、高齢者の方々はeスポーツを取り入れたことで認知症も46%減ったり、介護施設ではコロナで開催ができていなかった運動会などのイベントに代用したいとの声も多く上がっている反面、これからの課題や操作の問題など興味深い話もたくさんありました。

現在、美里町高齢者向けに4箇所にeスポーツ健康サロンも開始されているそうです!

 

 

トークセッション&質疑応答

少しの休憩を挟み、トークセッション&質疑応答の時間に移ります。

 

「eスポーツを導入する時の補助金・助成金を使った導入するメリットは?」という質問から。

特にメリットはないが、介護施設にあるモニターやテレビ、パソコンなどが活用できればゲームは簡単にできるので、使用するコントローラーなどにお金が少し掛かるとのこと。メリットというより、今まで参加しなかった高齢者の方も「孫がゲームをやっている」などの理由で参加してみたり、介護職員も普段の業務とは違い、楽しめてモチベーションが上がって職場全体に良い影響があるとおっしゃられていました。

 

次に、「導入前のお試しなどはあるか?」という質問。

無料体験会を開いているのでそこに参加してもらってから1週間ほどのレンタルシステムもあるとの回答でした。

 

「オンラインで全国対戦する時の営業は?」という問いに対して、導入時の説明もオンラインで行うが、各地の代理店などに営業してもらうとのこと。また、施設同士横の繋がりが多いので、「あそこの施設と対決したいから契約を取ってきて!」と言われることもあるそうです。

 

続いて、「ゲームをしないのにeスポーツをビジネスにしたのか?」という質問。

ゲームはしないが、高齢者や障がい者の方たちが繋がれるツールだと考えた時に楽しそうでワクワクした。嫌いだからこそいつか好きになるかもしれないと思ったそうです。ゲームをしているのを見るのは好きなのでとも返答されていました。

 

その他にも、「仕事以外の生活について」「起業した時に壁はなかったのか?」「開業時の資金調達について」「なんで起業したいと思ったのか?」などたくさんの質問が寄せられ、最後に「今日話をさせていただいたことや役に立つことをこれからもチャレンジしたい!当たり前の世の中になったら良いなと思う。」との言葉でセミナーも終了となりました。

 

 

集合写真

今回はビジネスの内容だけではなく、年齢や障がいに関係なく皆が「ごちゃまぜ」になって楽しめる世界を作るという点でも大変学びになったのではないかと思います!

また、ビジネスアイデアとしても自分が出来ることに何かをプラスしたり、掛け合わせたりでこんなにも広がっていくのだと実感できたのではないでしょうか。

このご縁を大切にこれからも皆さんで起業家のみならず、参加者で輪を広げていけたらと思います。今回もたくさんのご参加本当にありがとうございました!

 

 

本日のセミナー講師

株式会社ハッピーブレイン 代表取締役 /池田 竜太